インテリジェンスの基礎理論
小林良樹
講談社学術文庫
令和7年
同著者の『なぜ、インテリジェンスは必要なのか』のダイジェスト版とも言える本である。
本書は、令和7年の刊行と新しく、文庫で手軽に入手できるため、日本人の著者によるインテリジェンスの入門書を求める際に、多くの読者にとって有力な選択肢となることが見込まれる。
ここでは、前掲書の読書感想文でとりあげなかった部分を紹介したい。
日本における制度の在り方を検討する際にも、単純に他国の制度の在り方のみを理由として解答を出すことは妥当ではなく、(他国の制度は参考にしつつも)日本自身の独自の政治、社会、歴史状況等を踏まえつつ具体的かつ実質的に検討されるべきと考えられる。(67頁)
また、優れたインテリジェンス・プロダクトに関してローエンタールの見解を紹介している(204~208頁)。
概要は以下のとおりである。
大前提:インテリジェンスの客観性の維持
基準①:タイムリーであること
基準②:政策決定者の注文どおりに仕立ててあること
基準③:注文者にとって容易に理解可能であること
基準④:「判明している事実」と「判明していない事実」、「結論を支持している要素」と「結論を支持していない要素」等が明確に示されていること
これらの要素は、ビジネス文書の作成においても同様に求められる。
