2023-01-01から1年間の記事一覧
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団森功講談社文庫令和4年 本書では、積水ハウスが被害者となった事件をはじめ、複数の有名地面師詐欺事件が紹介されている。 地面師詐欺は、詐欺の大枠は大胆であるものの、細部の手口は極めて精巧である。 例えば、…
プリズナートレーニング外伝 監獄式ボディビルディング ポール・ウェイド著 山田雅久訳 CCCメディアハウス 2019年 プリズナートレーニングの外伝である。 主として、トレーニングの背景にある総論を述べる。 gorillamodernism.hatenablog.com 相変わらず、こ…
プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ ポール・ウェイド著 山田雅久訳 CCメディアハウス 2017年 本書は、監獄でのトレーニングを背景とした自重トレーニングを相当な熱量で推奨する。 実証的根拠は乏しくても、自らの経験と照合…
プーチンの世界 「皇帝」になった工作員フィオナ・ヒル、クリフォード・G・ガディ著濱野大道、千葉敏生訳畔蒜泰助監修新潮社2016年 二段組み約500頁の大作である。 文庫化されていないのは、内容の硬派さゆえに商業的には不発だったということだろうか。…
KGBスパイ式記憶術 デニス・ブーキン、カミール・グーリーイェヴ著 岡本麻左子訳 水王舎 2019年 タイトルの印象とは異なり、本書で紹介される記憶術はオーソドックスである。 人間の脳は視覚的イメージを記憶するのが得意である。 そのため、情報を記憶す…
OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント著 櫻井祐子訳 日本経済新聞出版社 2017年 本書では、夫を亡くし、「オプションA」を失った著者(シェリル・サンドバーグ)が、いかに問題に向き合ったかを振り返る。 完…
" data-en-clipboard="true">ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 アダム・グラント著 楠木建監訳 三笠書房 2016年 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> " data-en…
私のマルクス佐藤優文春文庫2010年 本書では、佐藤氏が学生時代に思想的基盤を形成したことが確認できる。 佐藤氏の学生時代の勉強会の書籍のラインナップは、その後の佐藤氏の様々な著作で折に触れて紹介されているものを多く含んでいる(179頁)。 当時、…
戦略読書 三谷宏治 ダイヤモンド社 2015年 『戦略読書』と題する本書を手に取る読者の関心は、読書により効率的に情報を取り込む方法論を知ることにあると思われる。 この読者の関心に応えるように、本書では、以下の等式を念頭に、一定の読書戦略が示される…
亡命者の古書店 続・私のイギリス物語 佐藤優 新潮文庫 平成30年 前作『紳士協定』では、聡明な少年であるグレンとの対話が大部分を占めていた。 未成熟な少年特有の悩みや感性が醸し出す独特の空気感が同作の特徴となっていた。 一方で、本作では、対話相手…
紳士協定 私のイギリス物語 佐藤優 新潮文庫 平成26年 佐藤優氏は、外務省入省2年目に語学研修でイギリスに駐在していた。 この際のステイ先で出会った12歳の聡明な少年であるグレンとの会話や交流を中心に描いたノンフィクションが本書である。 本書の特…
完全版 野蛮人のテーブルマナー 佐藤優 講談社 2014年 学生時代に講談社+α文庫で読んだ野蛮人のテーブルの完全版が存在していたことを知り、読んでみた。 『野蛮人のテーブルマナー』というタイトルが良い。 昨今の啓蒙書において跋扈している直情的、安直…
松岡正剛の書棚 松丸本舗の挑戦 松岡正剛 中央公論新社 2010年 松岡正剛がプロデュースした松丸本舗(2012年に閉店)において、各分類の書棚ごとにいくつかの本をとりあげ、松岡氏が一言コメントを付す。 ヨーロッパ近代は傑作中の傑作を数多く生み出した。 …
知の教室 教養は最強の武器である 佐藤優 文春文庫 2015年 本書は、教養を冠する著作である。 もっとも、私としては、本書の中に紛れ込んでいる佐藤氏の仕事の実情に関する記述に関心が向いた。 私は朝五時に起床し、起きたその瞬間から仕事にとりかかります…
Number 1076 バウアー「投球は科学であり、芸術だ」 文 生島淳 文藝春秋 令和5年 「メジャーリーグどころか、ダブルA以上の選手でトレバーより運動神経が悪い選手はいないだろう」(47頁)と評されたバウアーが、弱者の生存戦略を示す。 バウアーの生存戦略…
研究者への道中田裕康有斐閣2023年 中田先生が、弁護士から研究への転身を決意した際のエピソードが興味深い。 決心がついたのは、夜中に目が覚めたときの状態に気がついたことです。夜中にふと目覚めたとき、弁護士であれば、事件のことが脳裏に浮かぶこと…
憂国論 新パトリオティズムの展開木村三浩彩流社2007年 まず、形式面として、インタビューで形式であるものの、話が逸れないため、散漫な印象はない。 問答、口頭による説明という理解を助ける利点を享受できる。 本書で、コンパクトながら、木村氏の思想上…
友情を哲学する七人の哲学者たちの友情観戸谷洋志光文社新書2023年 本書は、タイトルのとおり、7人の哲学者の友情に関する言説をとりあげる。 各考察の当てはめとして、漫画の一場面が援用されており、理解を助ける。 とりあげられている漫画は以下のとおり…
Awe Effect人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果カトリーン・サンドバリ、サラハンマルクランツ著喜多代恵理子訳サンマーク出版2023年 本書の表紙の写真を見た際には、自然に触れることの効能を説く内容を想像した。 しかし、本書の対象はもう少し広かった…
下剋上トレーナー現代の若者の育て方。K-1世界王者 武井由樹を育んだ“夢の力”とはなにか?古川誠一ベースボールマガジン社2020年 格闘技の競技歴がない古川誠一氏のトレーナーとしての技能を知りたくて、本書を手にとった。 本書は古川氏の人生、ジムを運営…
雪ぐ人 「冤罪弁護士」今村核の挑戦佐々木健一新潮文庫令和3年 職人の生き様である。 なぜ、冤罪の刑事弁護を主たる仕事とするのか。 今村弁護士は、「私が生きている理由、そのものです」と答えた(18頁)。 「だから、単に可哀想な人とかね、そんな風には…
20ヵ国語ペラペラ 私の外国語学習法種田輝豊ちくま文庫2022年 タイトルからすると、典型的なハウツー物という印象を抱く。 しかし、第1章「わたしの語学人生」を読みはじめると、すぐにその印象は打ち砕かれる。 著者にとって、外国語学習=人生であり、…
宮本隆司:首くくり栲象宮本隆司著BankART19292018年 今更ながら、たくぞうさんの写真集が出ていたことを知った。 学部生の時、たくぞうさんの庭劇場にお邪魔した。 人間が首を吊り、地面から離れた両足が不規則に揺れている光景には、何とも形容できない不…
戦前の少年犯罪管賀江留郎(少年犯罪データベース主宰)築地書館2010年 「近年の少年犯罪は凶悪化した」と言われることがある。 この言説に対する反証を提示することが本書の役割である。 本書の著者は、管賀江留郎氏とふざけたペンネームであるが、内容は全…
鈴木邦男の読書術 言論派「右」翼の原点鈴木邦男彩流社平成22年 1 概要 読書術とあるが、本書の多くは、読書に関係のあるエッセイで構成されている。 完全にタイトル通りの内容は第4章のみである。 2 感想 本書で特に印象的な内容は、鈴木邦男氏が、複数…
お手軽愛国主義を斬る 新右翼の論理と行動木村三浩彩流社平成25年 1 概要 一水会代表である木村三浩氏による各所の論稿をテーマごとにまとめた書籍である。 テーマは、安倍内閣、民族派の論理、皇室報道、アメリカ、韓国・朝鮮などである。 2 感想 木村氏…
新右翼〈最終章〉 民族派の歴史と現在〔新改訂増補版〕鈴木邦男彩流社平成27年 鈴木邦男氏の他の著作にも共通するが、短文を重ねる文体であり、歯切れが良い。 思考の明晰さがこの文体がに結実しており、表現内容は明確に伝達される。 鈴木氏は、他者に受け…
超人ソリューション~筋肉と向き合う哲学 心も豊かになる筋トレの法則 糸井嘉男 日本文芸社 2023年 1 概要 「超人」のニックネームで知られる糸井選手が主としてトレーニングについて語る本である。 2 感想 糸井選手は、「超人」というニックネームが付さ…
私の書斎活用術「知的生産の技術」研究会編著講談社昭和58年 1 概要 著名人の書斎を紹介する企画である。 2 感想 少し古い本であるが、水木しげる氏と小室直樹氏の書斎に興味があったため、読むことにした。 水木しげる氏については、取材メモに「漫画家と…
民法案内 1私法の道しるべ 第二版我妻栄著遠藤浩、川井健補訂勁草書房2013年 1 概要 我妻博士による民法の入門書である。 本書はシリーズ第1巻であり総論である。 2 感想 本書の文章は明快であり、情報の羅列ではない。 読み物としての面白さがある。 例…