2010年
ヨーロッパ近代は傑作中の傑作を数多く生み出した。絶対に外せないのが・・・『カラマーゾフの兄弟』。ドストエフスキーが問題にしたのは、「神は人を裁けるのか」である。結論は「裁けない」。たっぷり時間をかけて読んでほしい。38頁
以前とりあげた『立花隆の書棚』と似た趣向であるが、本書の方がコンパクトである。
また、松岡氏が本の紹介から離れて、一段視点を高めたコメントをする部分にも面白い記述がある。
科学の本を読むということは、科学を学ぶことと違ってかまわない。22頁
ときに神秘学はおかしなところまで飛んでいく。一般読者が専門書を読むと「ここまで書くのか」と思ったりするのと変わらない。あまり特別扱いせずに、普通に読めばいい。自分の常識から外れているものに手を出さないでいると、本当に大切なものが目に入らなくなる。30~31頁
なお、「大友克洋の・・・『AKIRA』こそ永遠の文学。」との紹介があった(70頁)。
是非読んでみようと思った。