完全版 野蛮人のテーブルマナー
2014年
学生時代に講談社+α文庫で読んだ野蛮人のテーブルの完全版が存在していたことを知り、読んでみた。
『野蛮人のテーブルマナー』というタイトルが良い。
昨今の啓蒙書において跋扈している直情的、安直なタイトルとは異なる。
ひと癖ある表現が醸し出す粋な雰囲気がある。
本書での指南は多岐にわたるが、繰り返し言及される酒の席での留意点が興味深い。
よい情報は、大量のアルコールが入ったときにとることができる。もっともこれは両刃の剣で、こちらの情報もアルコールとともに漏れてしまうことが多い。62頁
・・・酩酊した上での相手の醜態を決して非難しないことだ。25頁
本書で紹介される情報獲得の具体例は国家レベルのスケールである。
もっとも、本書における助言は、最終的には人間の機微について言及するものであるため、万人に何らかの形で参考になる内容である。
相手の話を覚えておくことは、神経を集中すればかなりできるようになるが、自分が何を話したかについては案外覚えていないものである。62頁