KAMINOGE No.125
玄文社
2022年
弥益選手のインタビューが掲載されている。
煽り文句は、以下のとおりである。
「筑波大卒のサラリーマンがRIZINでメインを張る時代!
オラオラでもイケイケでもない人間は、この男の“隙間を突く生き方”を学べ!!」(8頁)
中学では卓球部に所属しており、変則的なスタイルで相手をイライラさせ、試合が終わった後に握手をしてもらえなかったことすらあったという。
このエピ-ソードは、対戦に勝つことの形態が多様であることを再認識させる。
くわえて、現在の弥益選手の戦い方の土台がその頃から築かれていたことも確認できる。
単純に「人がやらないところの隙間を突いて勝つ」っていうのを自分はその頃に覚えたんだと思います。(14頁)
弥益選手は、自らの生活における格闘技の位置付けについては、全く力みのない発言をしている。
それでもジムは週2、3回とかで、大学のイベントがあればそっちを優先しますし、友達と飲みに行くとかがあればそっちを優先しますし、格闘技は好きで楽しかったけど、その程度の感じではありましたね(21頁)。
ただ、そこまでウェイトは占めていないにせよ、格闘技を続けることは決めていたんですよ。絶対に続けようと思っていて。ただ、それは会員さんレベルで無理のない範囲で、ただただ格闘技に触れ続けていたいっていう気持ちで就職したと言ってもいいので(26頁)。
当然、これは弥益選手の謙遜であろう。
実際には、仕事、家庭との折り合いをつけつつ、競技を継続するための効率性の追求、時間管理の実践がなされているはずであり、並々ならぬ覚悟で格闘技と向き合っていることと思われる(そうでなければ、DEEP王者の戴冠はできないであろう。)。
今後、同様の企画があれば、この辺を掘り下げてもらいたいと思う次第である。