下剋上トレーナー
現代の若者の育て方。
K-1世界王者 武井由樹を育んだ“夢の力”とはなにか?
古川誠一
ベースボールマガジン社
2020年
格闘技の競技歴がない古川誠一氏のトレーナーとしての技能を知りたくて、本書を手にとった。
本書は古川氏の人生、ジムを運営する上での哲学がメインである。
そのため、格闘技の技術論の記載は限られる。
その限定的な格闘技の技術論の記述の中で、私の気を引いたのは、「見る」ことについてである。
思い返してみれば、僕は小中学校のサッカー部時代から「人を見る」ということを無意識のうちにやっていた。
部員の体つきや動きを見ると、それぞれの運動能力や動きのクセがある程度わかる。
それをもとに、「こいつにはこの練習を増やそう」とメニューを決めていた。
格闘家たちへの指導も、基本的にはこのサッカー少年時代と同じだった。
スパーリングやミット打ちをやらせると、すぐに体格の特徴や動きのクセが分かる。78~79頁
・・・相手方決まると僕はいつも徹底的に相手の試合動画を見て、ここでも重箱の隅をつつくように相手のウィークポイントばかり探している。220頁