出先で読む本が無くなったため、特に期待せずに適当に購入した本である。
本書は、よくある、生き方の最適化を煽る本(以下「煽り本」という。)である。
一般に、「煽り本」は、著者の限定的な経験をあたかも普遍の真理のごとく記述する。
そのため、「煽り本」著者の価値観に共感できない場合には、読後に徒労感だけが残ることとなる。
本書は、「煽り本」ではあるものの、人口に膾炙した古典である、マルクス『資本論』(及び、ロバートキヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』)を思考の補助線にしているため、多少良心的である(なお、これらの書籍の評価は措く。)。
『金持ち父さん貧乏父さん』の内容は『資本論』とまったく同じだ、『資本論』では『金持ち父さん貧乏父さん』のメッセージが理論的に説明されている、と思えるようになったのです。
そう感じてからあらためて『資本論』を読み返しました。
そこで、マルクスの分析の本当の重要性に気がついたのです。
(46頁)
本書では、給料はどうやって決まるのか、「利益」とは何か、どうすれば高い給料をもらえるようになるのか、年収1000万円は幸福か、などを内容としており、資本主義社会の構造の一端(に関しての一つの考え方)が平易に解説されている。
就活に臨む学生やアルバイトを探す学生などが本書を読むと何らかの示唆を得られるかもしれない。