はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内
文 野矢茂樹
絵 植田真
PHP文庫
おすすめ ★★★
近代ゴリラレベル ★★
1 概要
本書では、改めて問われると答えに窮する素朴な疑問が並んでいる。
本書は、上記各項目について、日常感覚を掘り下げる形で考察するものである。
なお、本文中には、植田真氏のイラストが添えられている。
2 コメント
本書は、浅いと見せかけて深い。
ふわふわとつかみ所のない雰囲気を漂わせつつも分析自体は明晰である。
また、本書は、お手軽な思考のフレームワークを提供する類いのものではない。
万人が了解可能な位置(主として日常の現象)から一つ一つ考察を積み上げていき、本質に肉薄していくスタイルである。
本書の読後は、頭の中が洗濯されたような気分になった。
備忘
(頁)
38 問題を考えている者にとっては、全てがその問題に結びついてくる。
101 問題なのは「前提の正しさ」ではなく、「前提の意味」である。
174 論理的な推論でさえそれぞれの領域に特徴的な推論の型を持っている。
184 anyとall