大森荘蔵-哲学の見本
2015年
相当程度読み飛ばしてしまい、熟読したのは、第5章「言語的制作の可能性」以降のみである。
相当程度の読み飛ばしという留保のもとの感想としては、本書は、前提知識がなくとも、一文一文を丁寧に読んでいけば意味内容が了解できる作りとなっており、入門書としての質は高いといえる。
日々の仕事においても、実利性を度外視した知識や視点が思考の契機となることは、十分に考えられる。
そして、人間が、多くの物事を言語にて思考する以上、深淵な問題を言語という道具によって限界まで分析しようと試みる哲学は、思考のヒント、頭の洗濯になり得ると思う。
ただ、今回は、巡り合わせ的に、本書を最初から最後まで熟読するだけの気力が残っていなかった。