最高の脳で働く方法
デイビッド・ロック著
矢島麻里子訳
2019年
本書は、脳の有効活用するために脳の仕組みの言語化を志向する。
脳のプロセスの違いはそれほど大きくはない。・・・当然この変更は労力と注意を要し、自分の脳のパターンを理解したうえで、脳が反射的にしたがることをしないようにする必要があった。・・・脳内の一見ささいな変化が、ときにはきわめて大きな効果をもたらすことがあるのだ。68頁
関与するメンタルプロセスを明確な言葉で説明できれば、行動を抑止できる可能性が高まる。脳の働き方をよく知っておくことは有益であり、それによって、何かに取りくんでいるときに脳で何が起きているかを把握できるようになる。117頁
各章末には、「脳に関する事実のまとめ」とともに「最高の脳で働く方法」という具体的方法が記載されている。
いずれも誰でも意識を変えれば、実践が可能な内容である。
ただし、意識を変えることは容易なことではないことには留意すべきである。
本書でもその旨の指摘があり、この指摘こそが実は本書で最も重要なメッセージであるとすら思っている。
マインドフルネスは難しくなく、マインドフルな状態でいるのを忘れないようにするのが難しいだけ。191頁