空に向かってかっ飛ばせ! 未来のアスリートたちへ
おすすめ ★★★
近代ゴリラレベル ★★★
1 はじめに
2 兄の存在
3 制度論
4 安定感の上に咲くマニアックなこだわり
5 おわりに
1 はじめに
私は、筒香選手のファンである。
筒香選手の職人気質と良識ある立ち振る舞いに惹かれるのである。
本書を読むことでこれらの筒香選手の魅力を再確認できた。
2 兄の存在
筒香選手自身が魅力的存在であることは上述の通りであるが、彼の兄もまた魅力的だった。
この兄の存在が非常に大きい。
一つ例をあげると、所属するチームを選択する際に、当該チームが身体のバランスを重視したメニューを採用している点に着目し、筒香少年に当該チームをすすめたというエピソードがある。
本書を読むと、筒香選手の現在の成功は彼の兄の存在なしにはあり得なかったと思えてくる。
3 制度論
本書における筒香選手の議論は野球の技術論にとどまらず野球界全体の在り方にまで及ぶ。
問題提起の対象は高校野球の金属バット、練習時間、練習内容の見直し、投球制限などである。
プロ野球選手は影響力を持つ立場の者である。
筒香選手はそのことを強く意識しているのが伝わってくる。
野球人口が減少している現状を直視して、野球を通して人が成長するためにはどのような制度改革、意識改革が必要かを本気で考えている。
4 安定感の上に咲くマニアックなこだわり
筒香選手の寮(?)の部屋の壁には大量の付箋が貼ってあった。
その付箋群の中で最重要だと強調していたのは「一日が終わった時、どのような成果を手に入れる事ができたら最も価値があるか」という言葉である。
上述の通り、非常に堅実な考えを持っている筒香選手であるが、「クセ者」としての一面も有している。
上記の映像ではどこかの民族の履き物を自作し、砂浜を歩いている場面があった(何のためのトレーニングであったかは忘れた)。
何ともマニアックなこだわりである。
安定感の上に咲くマニアックさには妙に惹かれるものがある。
5 おわりに
筒香選手はメジャー志向を表明している。
これに関して、私は複雑な心境である。
もっとも、ただ一つ確かなことは、筒香選手がいかなる選択をしたとしても私は彼のファンであり続けるということである。