吉田戦車 著
小学館文庫
1998年
おすすめ ★★★★
近代ゴリラレベル ★★★★
1 概要
極めてシュールな笑いを提供する四コマ漫画である。
2 コメント
以前も紹介した本の中でとりあげられていた作品である。
例えば、本作品の世界では、人間社会の中に、かわうそ君、かっぱ君、斉藤(カブトムシ)、山崎先生(犬)などの謎のキャラが混入している。
しかし、人間がそれらのキャラと共存していることには何の疑いも挟まれていない。
逆に、日常では当然のことに対して敢えて疑問を投げかけることでもシュールな笑いを発生させている。
このように、本作品ではあり得ないことが当然のように扱われていたり、我々の世界で常識と扱われていることが非常識として糾弾されていたりするのである。
作品内に横たわる常識、道徳、倫理が現実世界のそれらとズレていることで独特な世界観が構築されている。
なお、本作品は、『知の論理』でも紹介されており、アカデミズムの世界にも響く魅力があるようである。