近代ゴリラの読書感想文

元予備役。司法試験合格。国家総合職試験合格。

 近代ゴリラ=インテリジェントゲリラ

【読書感想文】1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック

許 成準
2019年

1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック

 
1 概要
 天才達の知恵をライフハックとして紹介する。
 
 
2 コメント
 ライフハック系の本(あるいはより広く仕事上、生活上のテクニックを伝授するものも含む)においては、著者の経験的知識を披瀝するものが多いという印象がある。
 
 なお、この類の本を多数読み込んでいる訳ではないので、偏見であることは否定しない。
 
 一方で、ライフハック系の本では実証的根拠に基づくものもある。
 こちらのタイプは読み物としての面白さが減殺されていることが多い。
 また、結局のところ、実証的根拠のある方策についても、個々人の特質によって効能が左右されることが多いため、数ある方策の中から試行錯誤の末に取捨選択をすることとなる。
 
 
 前置きが長くなったが、本書は、上記の体験系、実証系いずれにも分類されず、先人の知恵を紹介していくという体裁である。
 この体裁は面白いと思う。
 
 加えて、人選の特殊性も評価したい。
 すなわち、「先人の知恵を紹介する」場合には、知らず知らずのうちに、学問的な功績をあげた者、あるいは、知的生産を行った者を選択しがちである。
 
 一方で、本書では、ロニー・コールマン(ボディビルダー)、イングヴェイ(ギタープレイヤー)、ジェームズヘッド・フィールド(metallicaのギターヴォーカル)など、類書ではあまりとりあげられていなかったと思われる人物がとりあげられている。
 
 これらの人物も、常人とは異なる感覚で、常人の見ることのできない世界を見ているのであり、そのような者の知恵、感覚を探求すれば、自ずと有益な情報が提示されるのである。
 
 本書は、この類書の盲点をついたことが特に小気味よい。