超人ソリューション~筋肉と向き合う哲学 心も豊かになる筋トレの法則
2023年
1 概要
「超人」のニックネームで知られる糸井選手が主としてトレーニングについて語る本である。
2 感想
糸井選手は、「超人」というニックネームが付されているとおり、常人離れしたイメージがある。
この典型的な偏見に対して、冒頭からジャブが放たれる。
僕は僕なりに頭を使って、いろんなことを考えてプロ野球人生を歩んできた。とくに体のことについては人一倍考えてやってきたと思っている。5頁
本能だけでプレーしているかのように見えた超人が、じつはこんなことを考えて野球をやっていたんだなと、見方をちょっとでも変えてもらえたら嬉しい・・・。7頁
超人にも常人の側面があるという当たり前の事実を知ることができる。
もっとも、ところどころに、さりげなく、糸井選手のコンディショニングを知るための重要な情報を砂金のように含まれている。
あるとしても、週に1回、日曜日の試合後に筋肉に刺激を入れる程度(月曜日はなるべく休養していた)。73頁
僕は基本的に好きなものをガマンすることなく、なんでも食べている(現役時代もなんでも食べていた。)・・・なぜなら、「効率的に筋肉をつけるための食事」はたくさんあるのだが、基本的に何かしばりがあることが多いので、ガマンばかりしてストレスが溜まってしまうほうがマイナス、という結論に達したから。117~118頁
さらに、本書では、トレーニングがメンタルに与える影響について繰り返し説かれている。
メンタル強化のために何か特別なことをしていますか?」と聞かれることがあるが、僕は筋トレすることでじゅうぶん心も鍛えられたと考えているので、メンタルに特化したトレーニングはやったことがなかった。メンタルを強化することよりもいかにストレスを溜めず、気持ちがいいと思う毎日を送れるかのほうが大事だと思っているので、上手に気晴らしすること、楽しいことをすること、ワクワクすることをすることを重視している。189頁