お手軽愛国主義を斬る 新右翼の論理と行動
木村三浩
彩流社
平成25年
1 概要
一水会代表である木村三浩氏による各所の論稿をテーマごとにまとめた書籍である。
テーマは、安倍内閣、民族派の論理、皇室報道、アメリカ、韓国・朝鮮などである。
2 感想
木村氏の思想は、排外主義を否定する。
世界に二百を超える国家・民族があるが、どの民族にも誇りがあり、固有の言語・文化と伝統がある。
ところが、各民族の文化、伝統は世界を均一化しようというグローバリゼーションの波にさらされている。
単一の価値観のもとに、各民族の誇りを奪い去る方法は、決して世界を平和に導く道ではない。85頁
また、木村氏は、安倍政権に批判的である(他書でも同様と思うが、少なくとも本書ではその立場は明確である。)。
「新右翼の論理と行動」を副題とする本書において安倍政権批判がなされていることに首をかしげる方には、一読を勧めたい。
少なくとも、木村氏の思想の論理からは素直に導かれる帰結である。
本書を読んで単純に抱く感想として、木村氏の活動のスケールには恐れ入った。
本書には北朝鮮、インド、アブハジア共和国を訪問したルポが収録されている。