近代ゴリラの読書感想文

元予備役。司法試験合格。国家総合職試験合格。

 近代ゴリラ=インテリジェントゲリラ

読書感想文

【読書感想文】佐藤可士和の打ち合わせ

佐藤可士和の打ち合わせ Kashiwa Sato on Meetings Achieving Breakthroughs in Your Conventional Meetings 佐藤可士和 日経ビジネス文庫 2019年 1 概要 タイトルのとおり、佐藤可士和が、打ち合わせの技法を説く。 大きく分けて8つのルールを軸に展開す…

【読書感想文】分かりやすい公用文の書き方

分かりやすい公用文の書き方 第2次改訂版 礒崎陽輔著 ぎょうせい 令和4年 「公用文」の書き方の本なので、ビジネスパーソンである自分には関係ないと思わないでほしい。 本書の序章には、公用文の書き方の要点について、以下の説明がある。 公用文の書き方…

【読書感想文】三島由紀夫の家

三島由紀夫の家篠山紀信撮影篠田達美文美術出版社1995年 1 概要 三島由紀夫の自宅の写真集である。 写真部分だけでも200頁あり、三島由紀夫の愛用品の接写なども含まれている。 2 コメント 私は、本書の存在自体は知っていたものの、これまで、本書を手…

【読書感想文】大森荘蔵ー哲学の見本

大森荘蔵-哲学の見本 野矢茂樹 講談社学術文庫 2015年 相当程度読み飛ばしてしまい、熟読したのは、第5章「言語的制作の可能性」以降のみである。 相当程度の読み飛ばしという留保のもとの感想としては、本書は、前提知識がなくとも、一文一文を丁寧に…

【読書感想文】法律における理屈と人情

法律における理窟と人情我妻栄日本評論社昭和30年 1 概要 民法学の大家である我妻栄博士の講演録である。 2 コメント 本講演では、法律における理屈と人情は、法律における一般的確実性と具体的妥当性と言い換えられている。 この用語法の紹介のみで一定…

【読書感想文】読書脳

読書脳 ぼくの深読み300冊の記録立花隆2016年文春文庫 1 概要 第1部の小稿と第2部の書評という二部構成のシリーズ物の4冊目である。 第1部は、「読書の未来」と題する対談である。 なお、今回、本書を読んだことで、私は、このシリーズを全て読…

【読書感想文】4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて

『カンガルー日和』 村上春樹著 佐々木マキ絵 1986年 講談社文庫 内容は、作品名のとおりである。 一貫して何とも言えない不思議な雰囲気をまとっている作品である。 「100パーセントの女の子」とすれ違ったと確信した主人公(名前不明。村上春樹作品…

【読書感想文】エゴを抑える技術

エゴを抑える技術ー賢者の視点を手にいれるライアン・ホリデイ著金井啓太訳パンローリング 1 概要 エゴの暴走により問題が生じた歴史上の人物や事例を多数とりあげる。 その上で、エゴに対する対処を説く。 2 コメント 「エゴを抑える技術」というよりは、…

【読書感想文】一投に賭ける

一投に賭ける上原善広角川書店2016年 一般に、時代の流れにしたがい、競技レベルは高まっていく。 陸上競技についても、年々記録が更新されていく。 このような一般的な傾向の中で、日本記録を眺めると、やり投げが30年以上前の記録であるが分かる。 …

【読書感想文】心との戦い方

心との戦い方ヒクソン・グレイシー著沢田啓明 取材、翻訳新潮社2013年 1 概要 ヒクソングレイシーによる自己啓発的エッセイである。 『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』の続編である。 gorillamodernism.hatenablog.com 2 コメント 論調としては、前…

【読書感想文】インターネットポルノ中毒

インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学ゲーリー・ウィルソン著山形浩生訳DU BOOKS2021年 1 概要 インターネットポルノが及ぼす悪影響を説明する。 ポルノ断ちのための具体的な方策も紹介する。 2 コメント 本書でとりあげられている、…

【読書感想文】エフォートレス思考

エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化するグレッグ・マキューン著高橋璃子訳かんき出版2021年 『エッセンシャル思考』の続編である。 前著との位置付けについては明確である。 エッセンシャル思考は、「何を」やるかを教えてくれた。エフォ…

【読書感想文】RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる

ANGE 知識の「幅」が最強の武器になるデイビッド・エプスタイン著中室牧子解説東方雅美訳日経BP 2020年 1 概要 原題にあるとおり、「専門化した社会において、なぜゼネラリストが活躍できるのか」という逆説を扱う。 タイガーウッズとロジャーフェデラーの…

【読書感想文】蹇蹇録

新訂 蹇蹇録-日清戦争外交秘録 陸奥宗光 1983年 岩波文庫 1 概要 日清戦争期に外務大臣を務めていた陸奥宗光による当時の回想録である。 2 コメント 陸奥宗光の文体には味があるように思う。 もっとも、私が歴史の知識に疎く、かつ、この類の本をあま…

【読書感想文】岡倉天心とmetal(Ailiph Doepa)

1 メタル史は移りゆく 私の青春時代である中学から高校時代に特に熱中したバンドは、PANTERAとSlipknotであった。 PANTERAについては、私が関心を持った頃にはすでにDarrellは悲劇の最期を迎えた後であり、Vinnieも近年に亡くなった。 Slipknotについては、…

【読書感想文】ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして 血にも肉にもならなかった一〇〇冊

ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして 血にも肉にもならなかった一〇〇冊 立花隆 文藝春秋 2007年 先日、ジャーナリスト・作家の立花隆さんが逝去された。 私事で恐縮だが、私も現在に至るまで立花さんの著作から一定の影響を受けている者の一人であ…

【読書感想文】日本の思想

日本の思想 丸山真男 1961年 岩波新書 1 概要 丸山真男による、あまりに有名な啓蒙書である。 I「日本の思想」、II「近代日本の思想と文学」は論文体であり、Ⅲ「思想のあり方について」、Ⅳ「『である』ことと『する』こと」は講演体である(181頁)。…

【読書感想文】民族の表象

民族の表象 歴史・メディア・国家 羽田功編 慶應義塾大学出版会 2006年 1 概要 メディアによって構築されたイメージである「民族」を読み解く。 このコンセプトに沿った論文が複数収録されている。 2 コメント 学生時代に読んだ本書を再読し、せっかくなので…

【読書感想文】コンサル一〇〇年史

コンサル一〇〇年史 並木裕太著 ディスカバー・トゥエンティワン 2015年 1 概要 曖昧な「コンサル」という概念の案内図である。 コンサルタント業界の歴史、日本の経営コンサルティング業界、大型プロジェクトに関与したコンサルタントへのインタビュー…

【読書感想文】美しきもの見し人は

堀田善衛著 新潮文庫 昭和58年 1 概要 小説家、評論家である堀田善衛氏による美術エッセイである。 冒頭70頁で絵画等のカラー写真が掲載されており、これらを軸として美術エッセイが展開される。 2 コメント 本書は、非専門家による美術エッセイである…

【読書感想文】シリコンバレー式超ライフハック

シリコンバレー式超ライフハック GAME CHANGERS What Leaders, Inovators, and Mavericks Do to Win at Life デイヴ・アスプリー著 栗原百代訳 ダイヤモンド社 2020年 1 概要 『食事』、『HEAD STRONG』の著者の近著である。 めざましい成功…

【読書感想文】ザ・ゲーム 4イヤーズ

ザ・ゲーム 4イヤーズ ニール・ストラウス著 永井二菜訳 パンローリング THE TRUTH: An Uncomfortable Book About Relationships by Neil Strauss 1 概要 帯にも記載されているように、著者が、ポリアモリー、ハーレム、スワッピングなど新しい恋愛スタイ…

【読書感想文】ハードゲイナーのためのボディビル講座

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">「ハードゲイナーのためのボディビル講座」 望月元晴 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">個人的には、画期的な連載であると思っている。 約20年前に完結した『IRONMA…

【読書感想文】希望の格闘技

希望の格闘技 中井祐樹 イースト・プレス 2014年 一つのトピックが2~3頁で簡潔する編集方針であり、語り口は軽快である。 体系的な内容ではなく、淡々と箴言を重ねるスタイルである。 脱力を理解するのが難しい者に、私は、 「力を入れるべきところは…

【読書感想文】音を視る、時を聴く

音を視る、時を聴く [哲学講義] 大森荘蔵 + 坂本龍一 朝日出版社(※画像はちくま学芸文庫) 1982年 1 概要 哲学者である大森荘蔵教授と音楽家である坂本龍一教授(俗称)の対談である。 基本的に、大森教授の専門である哲学を基軸として、一方的に語り…

【読書感想文】政治家橋本龍太郎

61人が書き残す 政治家 橋本龍太郎 「政治家 橋本龍太郎」編集委員会 編 文藝春秋企画出版部 2012年 1 概要 書名のとおり、橋本龍太郎元首相にゆかりのあった61人の人物が、氏の業績や人柄を回想する寄稿から構成されている。 2 コメント 私が本書…

【読書感想文】山口組顧問弁護士

山口組顧問弁護士 山之内幸夫著 角川新書(kindle版) 2016年 1 概要 タイトルが全てである。 2 コメント(1)『山口組顧問弁護士』 当然、本書にサブタイトルなどは存在しない。 圧倒的なインパクトを与えるこのタイトルのみで読者を惹き付けるには…

【読書感想文】フランケンシュタイン VS トーキョーグール

今年の序盤に、メアリー・シェリー著『フランケンシュタイン』を読んだ(聴いた)。 なお、同作品を読んだのは、廣野由美子著『批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義』を読むための準備行為であった。 同作品を読んでいるとトーキョーグールとの類…

【読書感想文】1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック

許 成準 すばる舎 2019年 kindle版 1 概要 天才達の知恵をライフハックとして紹介する。 2 コメント ライフハック系の本(あるいはより広く仕事上、生活上のテクニックを伝授するものも含む)においては、著者の経験的知識を披瀝するものが多いという…

【読書感想文】仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン著 野津智子訳 きこ書房 kindle版 1 概要 飛行機が欠航になり、空港に寝泊まりを強いられた男が、そこで出会った老人に仕事哲学について学ぶ対話篇である。 2 コメント まず、仕事哲学を伝授する自己啓発本に「仕事は…